E-サート(旧ヘリサート)
E-サート(旧ヘリサート)は、アルミダイカストやプラスチックなどの、軟質材に挿入することで、ステンレスの強固なめねじをつくります。強い締め付けを必要とする箇所、繰り返し使用され耐久性を求められる箇所に最適です。
E-サートの特長
- POINT1
- 強いめねじをつくる
- POINT2
- 耐久性のあるねじ結合ができる
- POINT3
- 簡潔なデザインができる
- POINT4
- 理想的な応力分布になり、繰り返し荷重によく耐え、疲れ限度を増大させることができる
- POINT5
- 容積、重量を減少させることができ、
コンパクト設計が可能
- POINT6
- ねじ山を簡単に再生できる
- POINT7
- 多種多様なめねじに対応できる
豊富なサイズ展開
形状
標準インサート
菱形断面をしたスプリング状のコイル(ねじブッシュ)で、自在性があります。おねじとめねじのリード誤差、角度誤差を吸収し、E-サート(旧ヘリサート)とボルトのはめあい長さ全体に応力が分散されるため、強いねじ結合が得られます。
ロックインサート
標準インサートに緩み防止効果を持たせたものです。ほぼ中央のコイル1~2巻が多角形になっており、ボルトをしっかりと締め付けます。調整ねじ、セットねじのロック用にも使われています。
材質
E-サート(旧ヘリサート)は、18-8ステンレス鋼(SUS304相当)を使用しています。表面硬度はHRC43~50、引っ張り強さは約1,000MPa以上、表面粗さは3S以下、使用温度は400℃未満となっています。ただし、磁気や導電性が問題となる場合や、ボルトがステンレスの場合は、りん青銅(C5191WH相当)のE-サート(旧ヘリサート)をおすすめします。引っ張り強度は700MPa以上となっています。E-サート(旧ヘリサート)とボルトのはめあい長さ全体に応力が分散されるため、強いねじ結合が得られます。
400~530℃の高温にはインコネルX750をおすすめします。また、耐食性に優れたSUS316もあります(輸入品)。
適用ねじ精度
E-サート(旧ヘリサート)を挿入してできるはめあい等級は、E-サートタップ穴の精度によって変わってきます。
E-サート(旧ヘリサート)は等級による区別はなく、高精度の製品です。タップ穴がJIS1級であれば、JIS1級のめねじ寸法交差内のE-サート(旧ヘリサート)ねじができます。
※ISO 9001認証、JIS Q 9100認証による厳しい製品管理のもと、最高品質を提供いたします
E-サート(旧ヘリサート)の用途
理想的なめねじ補強ブッシュとしてのE-サート(旧ヘリサート)は、“軽少短薄”時代を迎えた産業界でますます重要視され、今やロケットをはじめとする宇宙産業・航空機・自動車・電子機器・CA機器・通信機器・医療機器・船舶など、あらゆる分野の製品に組み込まれています。近年、環境保護や省エネ、商品の軽量化が重要視され、アルミダイカスト、プラスチックなどが利用されるようになってきました。
そのようなやわらかく軽い素材に強いめねじをつくる必要性が求められています。 この需要を満たしたのが、E-サート(旧ヘリサート)なのです。
用途例
航空機
ロケット
人工衛星
自動車
鉄道車両
船舶
電気機器
OA機器
通信機器
医療機器
食品加工機
E-サート(旧ヘリサート)の使用方法
分解・組立作業を容易に
複雑な形状の製品や、背面または下方からロックワッシャーやナットを取付けるような面倒な作業を必要とする場所でも、E-サートロックインサートを使用すれば簡単な作業で、確実なゆるみ止めを行うことができます。
調整ねじのロックに
どのような個所にでも振動や衝撃によるゆるみから守られた調整ねじを設計することができます。
セットねじを確実に
回転軸にセットされる部品がゆるまないようE-サートロックインサートはセットビスを確実にロックし、かつ、めねじの破損を防ぎます。