エンザート挿入方法
エンザートを挿入するには、専用の工具が必要です。こちらではエンザートの挿入方法(機械加工・手動)をご紹介します。
機械加工
機械による挿入の際は、以下の点にご注意ください。
- タッパーまたはボール盤(反転位置を機械側で設定できるもの)を使用してください
- 目測による反転では専用工具とワークの衝突を完全に防げす、加工不良の原因となります
- 専用工具の先端スタッドやベアリングを保護するためにも、反転位置は事前に設定してください
加工手順
1.エンザートを装着します
割溝または三つ穴を下にし、下穴の上にエンザートをまっすぐ置きます。機械の回転を利用して専用工具にエンザートを取り付けます。
2.エンザートを挿入(セルフタップ)します
エンザートが完全に専用工具に取り付いた時点で、送りに少し圧力を加えれば、母材にエンザートがくいつきます。その後は回転だけで下穴をセルフタップできます。
3.工具が自動的にはずれます
事前に設定した加工深さで回転が反転すれば、ピンの位置が右に移動し、専用工具だけがリリースされます。
ハンド加工
手動で挿入する場合は、ハンド加工専用の「610型工具」だけではなく、機械加工用の「620型工具」「621型工具」も使用できます。
加工手順
1.エンザートを装着します
割溝または三つ穴を下にして、エンザートを最後まで工具先端に取り付けます。「620型工具」「621型工具」を使う場合は、かならずピンの位置を向かって左側にくるようにしてください。
2.エンザートを挿入します
エンザートのくいつき時(1~2ピッチ)に、X、Yの両方向から下穴に対して傾きがないかチェックします。傾きがあった場合は工具を反転しないで立て直してください。エンザートが1/3~1/2以上入ったあとは、立て直しが不可能です。
3.工具を引き出します
所定の位置まで挿入できたら、「610型工具」の場合は六角部をスパナで固定し、ハンドルを左へ反転(反時計まわり)すれば工具がフリーになります。「620型工具」「621型工具」の場合は、そのまま反転してください。